IB経済 HL 完全ガイド|評価・15マーク問題・IAの書き方
「15マークの評価問題で点が伸びない」「Paper 3とIAが不安」——IB経済HLでつまずきやすいポイントを、単元構成から本番の点の取り方まで一気に整理します。
IB Diploma の経済(Economics)は、現実の出来事を理論で読み解く科目です。HL(Higher Level)では SL の範囲に加えて Paper 3 と 定量的な計算が課され、要求される深さが一段上がります。「単元はどう構成されているか」「15マークの評価問題でどう点を取るか」「IAは何をすればいいか」——この記事で順に整理します。HLにするかSLにするか、ほかの教科との組み合わせをどうするかという科目選択の段階で迷っている人にも役立つはずです。
経済HLは何を学ぶ? 4つの単元と9つのキーコンセプト
経済HLは社会科学系の主要科目として扱われやすく、日本の大学進学を見据えるときにも選ばれることの多い教科です。経済は大きく 4つの単元で構成されます。
- 導入(Introduction): 希少性、機会費用、経済学の考え方の土台。
- ミクロ経済(Microeconomics): 需要と供給、価格、市場の失敗、政府の介入。
- マクロ経済(Macroeconomics): GDP、インフレ、失業、財政・金融政策。
- グローバル経済(The global economy): 貿易、為替、経済発展、国際協力。
そしてこれらを貫く軸として、9つのキーコンセプト(change・efficiency・equity・economic well-being・sustainability・scarcity・choice・interdependence・intervention)があります。エッセイや IA では「どのコンセプトに関わる問題か」を意識すると、答案に一本筋が通ります。
単元を「暗記する知識のリスト」ではなく、「現実のニュースを説明する道具箱」として捉えると、IA でも本番でも応用が一気にしやすくなります。
評価(Paper 1〜3・IA)の全体像
経済HLの評価は、大きく以下の4本柱です(詳しい配点・試験時間は学校やシラバスにより異なるため、必ず自分のsubject guideで確認してください)。
| 形式 | ねらい | |
|---|---|---|
| Paper 1 | 記述エッセイ(extended-response) | 理論を使って論じ、評価する力 |
| Paper 2 | データ反応(data response) | 与えられた資料を読み解く力 |
| Paper 3 | HLのみ・政策/定量 | 政策分析と計算(HL専用) |
| IA | コメンタリーのポートフォリオ | 時事記事と理論を結びつける力 |
IA(内部評価)は、ニュース記事を選び、それを経済理論で分析する短いコメンタリーを複数本そろえたポートフォリオです。普段からニュースに触れていると、良い題材を見つけやすくなります。
15マークの評価問題で点を取る方法
高配点の評価(evaluation)問題が、経済HLの最大の得点差になります。点が伸びる答案には、共通の「型」があります。
- 定義(Definitions): 使う用語を冒頭で正確に定義する。
- 図(Diagrams): 関連する図を正しく描き、軸・曲線・均衡点にラベルを付ける。
- 実例(Real-world examples): 具体的な国・企業・政策などの実例を結びつける。
- 本物の評価(Evaluation): 「短期 vs 長期」「誰が得をして誰が損をするか」「前提条件」「政策の限界」といった視点で、複数の立場から検討する。
HLの定量要素(計算)への向き合い方
HLでは 定量的な計算が加わります。需要・供給の計算、弾力性、政府の介入(税・補助金)による余剰の変化などが典型です。計算問題で大事なのは次の3点です。
- 単位と符号を丁寧に: 弾力性の符号や、増減の向きでの失点が多い。
- 途中式を残す: 最終値を間違えても、過程が正しければ部分点につながることがある。
- 図と数字をつなぐ: 計算結果を図の上で説明できると、評価問題でも強い。
スコアを上げる3つの習慣
経済HLは「知識量」より「理論を現実に当てはめて評価する精度」で差がつきます。
- 採点基準(markscheme)から逆算する。 どの要素(定義・図・実例・評価)に点が入るかを把握すると、答案の構成が決まります。教科全体のスコア戦略の中で、経済HLにどれだけ時間を割くかを決めておくと無駄がありません。
- ニュースを理論で説明する練習を日常化する。 IAの題材探しと評価問題の両方に効きます。
- IAを早めに動かす。 締切直前に良い記事を探すのは非効率。計画的に進めれば確実な得点源です。
ひとりで「説明は書けるのに評価で伸びない」と感じるときは、IB経験者に答案を一度見てもらうと、足りない視点が一気に見えることがあります。Quick IB のチューター(IB卒業生)は、そうした答案レベルの相談にも対応しています。